pd style すべての人に優しい診療環境を実現する

ごあいさつ 代表取締役 森田晴夫

診療環境に革命を起こしたパフォーマンス・ロジック

かつて歯科医院では、患者さんが椅子に座り、その傍らに立った先生が、身体を曲げて患者さんをのぞき込む不自然な姿勢で治療が行われていました。1964年に販売された「スペースライン」は、患者さんが水平に寝て、先生は座って自然な姿勢で治療するという、全く新しい診療スタイルを提案しました。これにより診療環境に大きな革命を起こしたと多方面から評価をいただき、現在では歯科診療姿勢のスタンダードとなっています。「スペースライン」の開発は、それまで器械に合わせていた診療環境を、人間中心にデザインし直すという逆転の発想から始まりました。開発過程においては、先生だけでなく、患者さん、アシスタント、衛生士、技工士と、歯科診療に関わる全ての人達の、自然でストレスのない動きを、いかに実現するかを考え、診療台だけでなく医院内のあらゆる点について数値化・基準化を行い設計しました。この考え方はパフォーマンス・ロジックと呼ばれ、“pd”という考え方に発展しながら現在に引き継がれています。

人に優しい診療環境を目標に進化を続ける“pd”

“pd”とは“proprioceptive derivation”の略ですが、歯科専門用語でもなく、他にも使われていない言葉です。直訳すると「固有感覚に基づく演繹」という意味で、意訳すると「人間を中心とした設計・配置」となります。 具体的には物理的な動きや動線だけでなく、メンタル等も含め、全ての人に優しい診療環境ということになります。「スペースライン」はこの“pd”に基づく診療環境を構成するハードウエアの一つにすぎません。 “pd”には普遍的な部分もありますが、診療環境や技術、患者さんの要望等の変化に伴い臨機応変に改善を加え、発売から40余年の間進化を続けてきました。人間を中心に考える“pd”に基づく診療環境は常に未完成であり、より良い形を求めての変化は今後も続きますが、40年に及ぶ進化を踏まえて一度情報を整理し、最新の情報をわかりやすく、一人でも多くの方に理解いただくため、Webサイト『pd style』としてリニューアルいたしました。

ある先生のエピソード

以前の話ですが、無理な姿勢で治療を続けていた先生がいらっしゃいました。 先生は良い治療を患者さんに提供するため、無理な姿勢をとってでも、治療を続けてこられたようです。開業から10年、手にしびれが出てきたので何とかしたい、との相談を受けました。 そこで、自然な姿勢で治療ができる“pd”を導入したところ、のぞき込む必要がなくなり、手のしびれも消えたというお話を聞きました。また、その先生は手のしびれという問題が解決しただけでなく、根管治療時の集中力の持続をはじめ、歯牙形成、麻酔、抜歯等、さまざまな治療の場面において自然な姿勢で行うメリットを実感されたそうです。このように自然な姿勢での治療方法を知らず、余計なストレスを受けておられるケースも多いと思います。 また「“pd”は難しい」、「既存のやり方を全て変えないといけない」という印象があり、敷居が高いと感じられている先生も少なくありません。進化を続ける“pd”は非常に奥が深いため、一度に全て導入しようというのは難しいと思います。 そこで、『pd style』では、いつでも見られるというWebの特性を生かし、様々なコンテンツを用意しました。pdに関する情報を再度整理し、分かり易い形でご提供させていただきます。『pd style』を通じ、先生が取り入れてみたいと感じられたところから、取り組まれると敷居はとても低くなると思います。

自由闊達(かったつ)な意見交換の場をめざして

近年、歯科医院の患者数は減少傾向にあり、顧客満足度の向上が重要な要素となっています。“pd”は先生方の作業効率を向上させるだけでなく、患者さんもリラックスした楽な姿勢で治療を受けることができますので、今の時代にもマッチしています。我々が提案する診療環境は、精密な作業を求められる歯科医療の場にふさわしい適度なサイズ、適度な配置があると常に考えています。医療の場において、人間の持っているポテンシャルを最大限に活かすことを優先し、プラスαとして機能を加え、世の中の風潮に流されることなく、我々が正しいと考える方向を提案し続けていきたいと思います。 『pd style』では先生方とモリタの双方向コミュニケーションだけでなく、“pd”に対する興味の有無にかかわらず多くの方にご参加いただき、線ではなく面でのネットワークを構築したいと考えています。今後、Q&Aをはじめとしたコンテンツの充実を図ると共に、情報交換や意見交換に活用いただける、先生同士のコミュニティサイトを目指します。我々がわかりやすい形で提案をし、先生同士が情報交換をされることで「一度取り組んでみよう」と思うきっかけになれば、歯科医療の現場はもっと働きやすく、患者さんも気軽に立ち寄れる場になると信じています。